そのぼんやりとした不安は、おそらく現実になる。盾と矛の用意はあるか。

廃墟となった住宅群

いずれ朽ちる。建物も人も

 今住んでいる人もこれから購入する人も。より幸福な人生であろうと、多くの希望と少しばかりの不安を抱えて買ったそのマンションに訪れる未来。

 ある時を境に、それは蚕食を始める。その現実へのカウンターを持っているだろうか。

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マスクごしのキス

住宅ローンという、信仰

人の交わりが拒絶される社会が出現したとき、唐突に視界に広がった失業廃業の死屍累々。それは一過性の災害で終結はせずに、燎原の炎はこれからも世界を焼いていくのだろう。

 人員整理と倒産のあとには、返す当てのない債務が焼け残る。

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地震で破壊した住宅

悪意無き殺戮と破壊が、また必ず起きる

うだるような暑い昼時。それは不意に起きた。逃げる間も与えられず、貧富も老若男女の別もなく、極めて平等無差別に徹底的に破壊され、焼かれ、灰燼に帰した。ひどく冷酷で残忍でありながら、無機質な現象に過ぎなかった。

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静謐な墓地

君の名は✖✖✖

人がいるところには金も物も集まって、大変賑やかなことになるのだが、悲しいことも起きやすくなる。

 あるとき買い物へ行くのにぷらぷらと歩いていると、隅田川と道路を隔てる堤防に、防災頭巾を被った人が座っていて驚いたことがある。

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稲荷の眷属白狐の像

お社さん おやしろさん

 お稲荷さんがおわす土地、出来ることなら静かにお鎮まり頂きたいのであるが、相続だ税金対策だの、とかく世知辛い事情でこれまで住んでいた家屋を取り壊してマンション建てたり、更地にして売ったりしなければいけない場合があり、自分達の住む古家は兎も角もお稲荷さんをどうしようかという事になる。

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アイルランドの湖畔の家